トップ営業と凡人営業の違い

 

私がいくつかの会社で営業職に就いて気づいたことですが、成績がトップクラスの営業マンが必ずしもテレアポが得意であるわけではありません。テレアポの件数を多く獲得すれば営業成績がトップになるとは限らないのです。

 

これまでに勤めた会社では、成績がトップクラスの営業マンがテレアポをしていることはほぼありませんでした。大抵の成績トップクラスの営業マンは、自ら獲得した固定客で売り上げを立てており、新規の客も紹介などが多いのです。要するに、テレアポをする時間がないため、テレアポしていないのです。では、その成績トップクラスの営業マンが新人のころはたくさんの新規のお客様をテレアポで獲得していたかというと、必ずしもそうではありません。むしろテレアポの獲得件数は平均的なものでしょう。

 

 

トップ営業と凡人営業の違いは売り先にいくら売るかだ

 

では、トップ営業マンと凡人営業マンの違いは何だろうか。私は営業駆け出しの頃、勘違いしていました。トップ営業マンは、様々な営業トークを駆使してアポイントも獲得でき、提案力やクロージングもすばらしく、誰もが売れないと感じる難易度の高いお客さんからも受注できると思っていました。しかし、様々なトップセールスを見てきて、それは間違いだと気づきました。

 

トップセールスが訪問して提案しても、難易度が高いお客さんには売れないものは売れないのです。むしろトップセールスマンは、そのような難関客に固執せず、早々と切り捨てます。逆に、誰が訪問してもニーズがあり売れるお客さんがいます。例えば、凡人営業マンがそのようなお客に訪問して売ると15万円だとすると、トップセールスマンはおおよそ3倍から4倍の金額で売っているのです。つまり、一件あたりの金額がトップセールスマンは3倍から4倍売るのです。

 

私が求人広告営業時代に、成績トップの先輩に同行したときのことです。

 

私は、せっかくの新規アポを獲得したお客さんに拒否されるのを嫌い、極力料金の低い小さい枠の提案をしていましたが、先輩は違いました。このお客さんに対し、脈ありと判断した瞬間、まず一番高い1ページ100万円くらいの求人枠を提案しました。さすがにお客さんもそれは無理だと言いながら、最終的には60万くらいの枠に決まりました。ニーズはあったので、私が営業してももちろん契約は取れていたでしょうが、おそらく15万円くらいの契約に留まっていたでしょう。

 

しかもトップセールスマンは嗅覚が鋭く、このお客さんはお金を使いそうだと判断すると、クロスセールスでより多くの金額でクロージングして決めるのです。

 

 

他の業界でも同じ、トップセールスは1件当たり売る金額が多い

 

私は一時期、会社を辞めて無職の時に生計を立てるため、土日に量販店などで店舗に派遣され、日用品や化粧品の販売のアルバイトをしていたことがありました。そこで偶然、一緒に仕事をしたトップの販売員が非常に印象的でした。そのトップの販売員は40歳後半の女性でした。彼女は誰にでも無理に売りつけることはありませんでした。ニーズのない客には、彼女も販売に成功していませんでした。

 

しかし、ある程度ニーズのあるお客さんに対しては、まとめて売るのが得意でした。まずお客さんに1品購入を決めさせた後、ついでにこれもどうですか?と、2品、3品とまとめ買いを進めます。彼女がすごいのは、「この化粧水、毎日使うとすぐなくなるから、2から3本まとめて買うのがお得よ。おまけもたくさんつけるから」と言うと、最初の金額が1000円くらいだったのが、気づいたら3000円、4000円となっているのです。

 

この経験から、私は思いました。やはり、どの業界でも同じなのだと。

 

営業成績をトップにする鍵は、1件あたりの単価を上げることです。そのためには、オプションや複数の商品を売ることが大切です。さらに、高い商品を提案して拒否されるかもしれないという恐怖心を克服する必要があります。

 

 


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